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グローバル・グリーン特許プログラム――中国における早期審査ルート
Mon Feb 02 10:48:00 CST 2026 発表者:华诚小編 ファイルをダウンロードしてないPDF

*本稿は英語原文から翻訳されたものです。

 

著者:

Michael Gamble(Harness IP ワシントンD.C.事務所代表)

 

共著者:

徐穎聡(華誠知的財産代理有限公司 副総経理、弁理士)

徐楽楽(華誠知的財産代理有限公司 部門主管、弁理士)

馬瑩(華誠知的財産代理有限公司 知的財産アドバイザー)

 

 

2025年1月28日に「気候変動緩和パイロットプログラム(CCMPP)」が終了したことに伴い、米国の特許出願人は、特定の「グリーン」特許出願を低コストで優先審査に付すための重要な手段を失うこととなりました。しかし、世界的に見れば、グリーン特許出願に対する優先審査のルートは依然として存在しています。本稿は、米国以外の法域におけるグリーン特許出願の優先処理メカニズムを検討するシリーズ記事の一つとして、中国の制度を解説します。

 

中国においてグリーン特許出願の早期審査を希望する出願人には、主に2つの選択肢があります。 

 

まず、中国国家知識産権局(CNIPA)は、『特許審査指南』第五部分第七章第8.2節、および『特許優先審査管理弁法』の規定に基づき、特定の条件を満たす特許出願または特許復審案件について、優先審査を認めています。これには「国家重点発展産業」に関連する案件が含まれており、グリーン技術分野の中核をなす「省エネ・環境保護」や「新エネルギー」産業がその対象となっています。[1]

 

優先審査の対象となるためには、特許出願の国際特許分類(IPC)の主分類記号が、以下の規定の範囲内に該当する必要があります。

(1)「グリーン技術特許分類体系」、および

(2)「戦略的新興産業分類と国際特許分類(IPC)の対照関係表(2021)」

 

さらに、当該特許出願の技術主題が、上記文書における主分類記号に対応する「キーワード」と厳密に一致していなければなりません。

 

条件を満たす特許出願について優先審査を請求する際、出願人は先行技術資料または既存の意匠情報、および関連する証明書類を提出する必要があります。なお、優先審査を請求する案件の優先権主張先の国に制限はありません。また、優先審査の請求にあたって特許庁へ支払う官庁手数料は不要です。

 

中国国家知識産権局が優先審査を承認した場合、承認の日から45日以内1回目の「審査意見通知書」が発行され、1年以内に審査が完結します。実用新案および意匠登録出願については、優先審査の承認日から2ヶ月以内に審査が完結することになります。[2]

 

また、1回目の審査意見通知書に対し、出願人は速やかに応答する必要があります。具体的には、発明特許の審査意見通知書には発行日から2ヶ月以内、実用新案または意匠登録出願の審査意見通知書には15日以内に応答しなければなりません。[3]

 

優先審査の対象となっている特許出願において、以下のいずれかの状況に該当する場合、中国国家知識産権局は優先審査の手続きを停止することができます。

(1)出願人が自発的に出願書類を補正した場合

(2)出願人による審査意見通知書への回答期限が、上述の早期審査期限を超えた場合

(3)出願人が虚偽の材料を提出した場合、あるいは

(4)審査の過程で、当該案件が「非正常な特許出願」に該当することが判明した場合。[4]

 

中国国内段階に移行した「グリーン」PCT国際出願については、別のルートによる早期審査も可能です。具体的には、各地方の知識産権局による押印および推薦意見が付された紙媒体の申請書類を中国国家知識産権局に提出することで、優先審査を請求できます。ただし、当該出願が『特許優先審査管理弁法』(局令第76号)の規定に適合していることが前提条件となります。

 

「グリーン」特許出願は、中国の特許予備審査手続きを通じて加速させることも可能です。これは、各省、自治区、直轄市の知的財産保護センターが、事前に届出手続きを行った主体に対して提供する事前審査サービスです。予備審査を通過した出願は、中国国家知識産権局の早期審査ルートに入ることができ、発明特許であれば登録までの期間を3ヶ月から6ヶ月程度に短縮することが可能となります。

 

予備審査手続きの主な要件は以下の通りです。

(1)出願人は、該当する保護センターの管轄区域内に登録されている中国の企業、大学、またはその他の機関であり、かつ当該保護センターにて届出手続きを完了している必要があります。また、知的財産に関する不良記録がないことも条件となります。

(2)個人には申請資格がありません。共同出願の場合、届出手続きを行う主体が「第一出願人」でなければなりません。

(3)特許出願の技術分野が、次世代情報技術、バイオ医薬品、ハイエンド装備製造など、保護センターが認定する現地の重点産業の範囲に属していることが必須条件となります。

(4)発明、実用新案、および意匠の新規出願のみが予備審査の対象となります。中国国内段階に移行したPCT出願、分割出願、および機密審査を必要とする出願は、いずれも予備審査に提出することはできません。

 

また、同一の発明創造について、同日に発明特許と実用新案を重複して出願することは認められません。予備審査を通過した後、出願人は要件に従い、速やかに正式な出願手続きを行い、関連費用を納付しなければなりません。

     

中国での特許保護の早期取得を目指す出願人には、第3の選択肢として、特許審査ハイウェイ(PPH)を利用した早期審査の請求があります。PPHは、他の法域における先行出願での肯定的な審査結果に基づく制度です。早期審査を請求するにあたって技術分野の制限がないため、「グリーン」特許出願においても本制度を十分に活用することが可能です。ただし、前述の「優先審査手続き」とは異なり、PPHは発明特許出願のみが対象であり、優先権主張先の国・地域による制限を受ける場合があります。さらに、PPHは特許請求の範囲に厳格な制限があり、出願人は請求項の範囲の縮小を余儀なくされるリスクや、補正が優先権出願の許容範囲を超えたとして「不適正な補正」と認定されるリスクを負う可能性があります。

 

上記2つのルートの比較:

    ■ PPH(特許審査ハイウェイ):特許取得の確実性を重視し、厳格な要件を充足することが可能で、かつ請求項の範囲の縮小が許容できる出願人に適しています。

    ■ 優先審査:短期間での応答が可能である場合、あるいは、PPHを利用する機会を逸したものの優先審査の要件を満たしている出願人に適しています。

 

総括すれば、中国の優先審査制度(および一定範囲におけるPPH制度)は、特定の「グリーン」技術に関する特許について、中国国内で早期保護を受けるための費用対効果の高い手段を提供しています。また、中国におけるPCT国内段階移行案件への優先審査や特許予備審査手続きも、特定のグリーン特許出願の早期審査を可能にするさらなる選択肢となります。さらに、特定の条件下では、早期審査が認められた中国出願に基づき、米国特許商標庁(USPTO)に対してPPHを請求することも可能です。これにより、当該グリーン特許について米国でも早期審査を受ける道が開かれます(ただし、その際には中国でのPPH利用時と類似する制限が課される点に留意が必要です)。



[1] https://www.wipo.int/export/sites/www/scp/docs/expedited-examination-china.pdf

[2] 同上

[3] 同上

[4] 同上


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